さくしかにきけばよくね

短編小説(私小説、たまにフィクション)風にして日常をお届けしてます

ぐるんぐるんぐるんの家

ぐるんぐるんぐるんの家

うちの近くにとても気になる家がある、の話。

 

確かに海は近いけど

潮の匂いが香るほど近くはないけれど散歩がてら歩いたら行けなくはないーーー海までそれくらいのところに僕は住んでいる。サーファーをはじめとする、海が大好きなひとたち、南国にあこがれるひとたちも、たくさん住んでおられると思う。

その家の主さんは南国志向なのかもしれない。庭には南方系の植物やカラフルな果実などがみられるし、なによりも、いつ通ってもドーンと解放されているリビング、その天井でゆったりぐるん、ぐるんと回る大きな南国風シーリングファンに主さんの志向がよく現れているような気がする。

素敵だなと思う。ただね、どうしても気になるのがね、多いのよ、そのぐるんの数が。

 

空もとべるはず

まず天井に、南国風鳥羽を模した大型シーリングファン。しかも2台。天井を覆いつくし、いかにもリゾート風に空気をかき混ぜております。これはまだわかる。

正面の壁に2台、左右の壁に1台ずつ、計4台の壁設置型の大きなファン。これはもう壁全体から室内へ向けての扇風機の風圧攻撃としか思えない。

さらにね、開け放した窓辺に、よくある普通の扇風機も1台置いてあって、室外の空気を室内へ取り込んでいるのです。なんで?

これって南国好きというより、羽好き、ファン好きってこと? ファンのファンなんておもんないシャレになっちゃう🤐 プロペラがこれだけ回ってたら、

 

「部屋ごと大空へ飛んでっちゃうんじゃないか」

 

この家の前を通るといつも僕は心配になっちゃうわけです。

あと、大中小7台もの扇風機がガンガン風を送っているこの室内の中央付近は、いったいどんな空気状況になっているのか。温度、湿度、気圧、体感はどうなっとるのか。知りたい。一度でいいからあの場所へ、あそこに立って両手を広げてみたい。

というわけで、僕は今、あの家の主さんと知り合いになるための計画を密かに練っています。いつかこのブログで、あそこから立派なお天気リポートができますように🙌😎