さくしかにきけばよくね

短編小説(私小説、たまにフィクション)風にして日常をお届けしてます

それ、怪談じゃなくねー💦

それ、怪談じゃなくねー💦

ゾゾッとする怖いのが苦手な人は読まないでネ、のお話。

違う、違う、怪談はそうじゃない

MJ君、僕は今きみを少々恨んでるよ。そりゃあね、きみは「夏の怪談話だよ」などと宣言して話し始めたわけじゃなかったよ。「稲川淳二調の怖い話なんだけど」と前置きしたわけでもなかったさ。でもね、本当に体験した怖い話とか言われちゃうとさ、お盆前のこの時期だしさ、稲川調のお化けな話だと思っちゃうじゃない💦 

あー、目を閉じると浮かんじゃうよ。想像したくない。こういう気持ち悪い、おぞましいのって苦手なんだよ。想像力豊かな人、鳥肌系、ゾワゾワッ系が嫌いな人、気が弱いという自覚のある人は、ここから先は読まないでね。

 

MJ君が働いている自動車の整備工場に、

人を轢き殺してしまった事故車が送られてきた。

つぶれたバンパーや故障した個所を修理して、

中古車としてまた売り出すためだ。

彼は修理の前に、事故車を洗車することになった。

ホースから水を出す。

ルーフ、サイド、原型をとどめている個所から洗い始める。

ボディの洗車を終え、タイヤを洗おうとしたとき、

MJ君はヒィッと声にならない声をあげ、

ホースを投げ出し、大きく後ろにのけぞってしまった。

被害者を巻き込んだ際に、タイヤのゴムが被害者のその部分を裂いて、

くわえこんでしまったのだろう。

黒いタイヤの生ゴムから、真っ赤な歯茎と無数の白い歯がニョキニョキニョキ

ニョキニョキニョキ・・・・・



あー、やめて😖 想像しないでね。夏は暑いままがいいやん。