さくしかにきけばよくね

短編小説(私小説、たまにフィクション)風にして日常をお届けしてます

あこがれのフール・オン・ザ・ヒル

あこがれのフール・オン・ザ・ヒル

一度でいいからこういうのを書いてみたいな、という話。

 

あこがれちゃうんだなあ

歌詞、小説、詩、エッセイ、絵画、漫画、立体美術などに、それぞれ「ああ、こんなふうに創ってみたい」とあこがれてやまない作品がある。エッセイだと、小説家、放送作家の故影山民夫さんが遺したこんな作品。中身を要約して紹介します。面白いよ😊

 

海外旅行経験豊富な影山さんがスコットランドへ旅したときのこと。ふと目をやると、丘の上にキルト(スカート)を履いてバグパイプを吹いている、まるでバカみたいなおっさんがいた。

ああいうのを「フール・オン・ザ・ヒル」というのだな、とビートルズの楽曲タイトルになぞらえてのジョークをかましながら、よせばいいのに丘の上までそのおっさんをからかいに行った。

「そのスカートの下には何も履いていないというが本当か?」と尋ねるとバグパイプのおっさんは「本当だ」と答える。じゃあ、見せてくれよと言うと、おっさんは「単なる旅行者のおまえにみせる筋合いはない」。そして「ただ、おまえも見せるというのなら応じてやろう」と言った。

仕方がないので影山さんはズボンを脱いでパンツを降ろした。おっさんは影山さんの股間をジロジロみて、

「おまえは今自分が何をしているのか心得てやっているのか? 私はあの向こうの展望台の客達にサービスするために、こうして民族衣装を着てバグパイプを吹いているのだ」

影山さんがその方向を見ると、たしかに遠くの展望台からたくさんの観光客がこちらを双眼鏡でみているではないか! かくしてニッポンのウタマロ伝説は崩壊したのであった。

 

というしっかりオソマツなオチまでついた話だ。いいなあ、いい話だなあ。

大事なのは、このパンツもすぐ脱げる精神。いや、脱ぐことがいいんじゃないよ、とにかくなんでもやってみる気持ちと行動が大事よね。さすれば面白い話題も増えてくでしょ。このご時世パンツ脱ぐのはご法度だけど、心にまとった鱗(うろこ)は脱いでいこ。ん? 鱗? 秦基博の「鱗」はカラオケの十八番のひとつだ。昨夜も歌った、、、と、オチのない記事になってんな。まるでフール・イン・ザ・昼、だ・・・・😓💦

影山さんまではまだまだ遠い。